THE ALFEE CLASSICS 3

曲目解説

1

シベリウス:交響詩「フィンランディア」‘Finlandia’op.26〜
Nouvelle Vague

 

交響詩「フィンランディア」‘Finlandia’op.26:
シベリウス(1865〜1957) 作曲年/1899年

Nouvelle Vague:作詞/作曲 高見沢俊彦

オーケストレーションをイメージさせるイントロといい、「Nouvelle Vague」は、アルフィーの作品の中でも、クラシックに最も近いものと言える。管楽器とティンパニーの重々しい咆哮はそのままイントロへとつながり、みごとに合体。生ギターとピアノのシンプルなフレーズが、全体を引き締め、バイオリンとからむエレキのカッティングの妙は、聞きどころだ。フィンランドの作曲家、シベリウスの代表曲「フィンランディア」は、フィンランドがロシアの支配下にあった頃に作られたもので、最後の高見沢の「愛の名のもとに抵抗の詩を Resistance!」の叫びが、楽曲に込められた自由への思いと重なって、胸に染み渡るようだ。
2 ロドリーゴ:我心のアランフェス‘Aranjuez Mon Amour’〜
明日の鐘
 

我心のアランフェス‘Aranjuez Mon Amour’:
ロドリーゴ (1901〜1999) 作曲年/1939年

明日の鐘:作詞/作曲 高見沢俊彦

生ギターの爪弾き、哀調をおびた郷愁のメロディライン……
高見沢が切々と歌うバラードの名曲「明日の鐘」と、ロドリーゴの「我心のアランフェス」は、時を経て同じ魂の元に生まれた楽曲のように思える。誰もが一度は耳にしたことのある主旋律と、「明日の鐘」のサビの部分を重ね合わせて、哀愁を盛り上げ、エレキギターがメロディを歌い、ダイナミックにドラムが加わっていく後半への流れは、まさに傑作だ。『ALFEE CLASSICS』もこれで3枚目になるが、回を重ねるごとに、細やかな融合を見せ、質も深みも増していることがよくわかる。
3 モーツァルト:交響曲 第25番 ト短調 K.183〜
Brave Love 〜Galaxy Express 999
 

交響曲 第25番 ト短調 K.183:
モーツァルト(1756〜1791) 作曲年/1773年

Brave Love 〜Galaxy Express 999:
作詞/作曲 高見沢俊彦

アルフィーの楽曲とオーケストラの組み合わせは、『ALFEE CLASSICS』の中だけに限られたものではない。この「Brave Love〜Galaxy Express 999〜」などは、コンサートツアの中でも、オーケストラの映像を使い、バイオリンを幾重にも重ねた重厚な音作りをして表現していた作品だ。もともと、弦を意識した楽曲なので、サビのメロディとバイオリンの流れるようなメロディの溶け具合が絶妙。高見沢は敢えてリッケンバッカーを使って、メロディを引き立たせている。ドラマの幕開けを予感させる、期待と緊迫感溢れる冒頭のイメージは、モーツァルトもアルフィーも得意とするものなので、全く違和感も感じない。一般的に“悲劇的”と表現される「ト短調」を、力強い勇気の曲に変身させたのはお見事!
4 シューベルト:交響曲 第8番 ロ短調 「未完成」‘Die Unvollendete’D.759〜
AUBE 〜新しい夜明け
 

交響曲 第8番 ロ短調 「未完成」 D.759:
シューベルト(1797〜1828) 作曲年/1822年

AUBE 〜新しい夜明け:作詞/作曲 高見沢俊彦

この作品は、3 枚に渡る『THE ALFEE CLASSICS』シリーズの、ひとつの結晶と言えるだろう。シューベルトの交響曲の代表作「未完成」の冒頭部分から、伸びやかな第一主題に入ったと思いきや、「AUBE〜新しい夜明け〜」のメロディに溶け込んでいく、あまりにも自然な流れ。オリジナルを大胆にアレンジして、ギターのテクニックの様々な妙技を堪能できる面白さ。(特に、間奏で高見沢が弾くグレッチの音色に要注目!)そして、オーケストラが加わることによって生まれる、大河のような音の洪水。まさに、全く新しいロック交響曲がここに誕生した。
5 ファリャ:「恋は魔術師」‘El amor brujo’より「火祭りの踊り」‘Danza ritual del fuego’〜
NEVER FADE
 

「恋は魔術師」‘El amor brujo’より「火祭りの踊り」‘Danza ritual del fuego’:
ファリャ(1876〜1946) 作曲年/1914〜1915年

NEVER FADE:作詞/作曲 高見沢俊彦

スペインの民族音楽とヨーロッパの芸術音楽を融合させた曲作りで名高い、ファリャのバレエ音楽「恋は魔術師」は、クラシックの中でも、かなり個性的な作品。ジプシーの魔術的な踊りは、怪しく妖艶な雰囲気で描かれているが、それを「NEVER FADE」という、メジャーな力強い歌と重ね合わせてしまったところが面白い。マイナーコードのうねりの中を、メジャーコードのメロディが軽やかに歌い、独特の世界が出来上がった。そして、後半は、アルフィーのコーラスで華やかに盛り上がり、クラシックの定番のエンディングで力強く終わる。ジャンルの違う音楽の融合を、とことん楽しんでいる曲と言えるだろう。
6 メンデルスゾーン:交響曲 第4番 イ長調「イタリア」‘Italian’op.90〜
希望の鐘が鳴る朝に
 

交響曲 第4番 イ長調「イタリア」‘Italian’op.90:
メンデルスゾーン(1809〜1847) 作曲年/1831〜1833年

希望の鐘が鳴る朝に:作詞/作曲 高見沢俊彦

「希望の鐘が鳴る朝に」のような、勇気と力に満ちた楽曲には、いったいどんなクラシックナンバーをもってくるのだろう? と思ったら、意外にも、軽やかなバイオリンの調べで、南国の抜けるような青空を表現した、メンデルスゾーンの「イタリア」の第一楽章で始まる。まさにその爽やかさは、希望の象徴。インストルメンタルの部分がほとんどの『ALFEE CLASSICS』の中で、歌がフルコーラスきっちり入っているというところがうれしい。ラストのコーラスの部分の、オーケストラの魅力満載の盛り上がりは、とにかくゴージャス。詞、メロディ含めて、アルフィーの歌のもつ力を、あらためて堪能できる作品である。