Liner notes
音楽畑1 音楽畑
Champs de la Musique
■WPC7-8537 ■1998.11.26 ■税込 ¥2,000

大地のめざめ/シャトレ−公園/カシュガル・夢街道/花想い/Champs de la Musique(シャン・ドゥ・ラ・ミュージック)/漁火/恋風前線/春雷/ディオリッシモ・残香(のこりが)/別れの詩(うた)/全10曲

「音楽の自然食」のススメ

“音楽の自然食”と急にいわれても、ハタと合点いただける方は、ほとんどいないだろう。化学肥料を使用せずに、ていねいに手をかけて作られる穀物や野菜が“自然食品”とよばれているように、作曲上、自然な音の流れを大事にし、アレンジ上、シンセサイザー等の電機楽器をもとりこんで、アーティスティックな音作りをした音楽を、“音楽の自然食”とよばせて頂きたい。この音楽を耳にすると、心は大きく開き、神経は弛緩する。ストリングスのアンサンブルは心の窓を開き、流れるメロディーは想いを遠い地平線の彼方にいざなう。またたとえで恐縮だが、音楽の在来線に乗り込み、心の故郷に帰る旅へ出ることとなる。新幹線で古里には帰れない。実際この音楽を聴いた多くの人が「故郷の野山の懐にいだかれる心持ちがする。」と述べている。これは作曲者の思い入れの反映でもある。技巧的かつ器楽的なメロディーを避けた、歌うように流れるメロディーは、人の心のヒダに染み透るように入りこむ。音楽を通じて、安定した精神状態を現出しようとする作曲家の努力に他ならない。自然食品を愛好する人々は、体を鍛え、内蔵をいたわり、安定した精神状態を求める。このことは、高ストレス時代に生きる、動物としての人間の自然な、当然の反応だろう。この生物、人間が、現在のポップ・ミュージックのメイン・ストリームの華美に流れがちな音楽に対して出した、一つの回答が“音楽の自然食”なのだ。
今一度、深く椅子に体をあずけ“音楽の自然食”を心ゆくまで味わっていただきたい。

(このライナー・ノーツは、CD制作当時に書かれたものです。)

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